13cmシフォンケーキのレシピ!焼き時間とふわふわに焼き上げるコツ

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コラム

少人数でも食べ切りやすく、初心者でも挑戦しやすいサイズとして人気なのが、直径13cmのシフォンケーキです。ですが、一般的な17cmレシピをそのまま縮小すると、焼き時間や配合のバランスを間違えやすく、しぼみやすいという悩みもよく聞かれます。
この記事では、13cmシフォンケーキの最適な焼き時間と温度、失敗しない配合、メレンゲや型外しのコツまで、専門的な視点から丁寧に解説します。オーブンや材料の違いにも対応できるようにポイントも整理しましたので、この記事を読みながら作れば、ふわふわでしっとりした理想のシフォンケーキに近づけます。

目次

シフォンケーキ 13cm レシピ 焼き時間の基本と全体像

13cmシフォンケーキは、一般的な17cmより一回り小さいサイズですが、ただ分量を減らせば良いわけではありません。生地量が少ない分、焼き時間が短くなりやすく、乾燥や焼き縮みも起こりやすいという特徴があります。ここでは、13cmサイズならではの基本焼成条件と、生地量や膨らみの目安を整理しておきます。
この記事で紹介するレシピと時間をベースに、ご家庭のオーブンに合わせて微調整していくことで、安定してふわふわのシフォンケーキを焼き上げられるようになります。

また、13cmは卵2個前後の少量で作れるため、材料ロスが少なく、初めての方の練習用としても最適です。焼き時間と温度さえ押さえれば、17cm以上の大きな型と同じように、背の高いシフォンに仕上げることが可能です。まずは標準的な焼き時間や温度、オーブンごとの違いの考え方を理解し、次のステップとして細かなコツを身につけていきましょう。

13cmシフォンの標準的な焼き時間と温度

13cmシフォンケーキの標準的な焼成条件は、170度で25〜30分程度が目安です。電気オーブンの場合は予熱をしっかり行い、庫内が十分に温まってから焼成を開始します。ガスオーブンは火力が強めなので、160〜170度とやや低めに設定し、様子を見ながら調整すると良いでしょう。
焼き時間を短くしすぎると、中心部が生焼けになり、冷ます途中で大きくしぼんでしまいます。一方で、長く焼きすぎると水分が抜けてパサつき、ふんわり感が損なわれます。オーブンのクセによって5分程度の差が出ることは珍しくないため、最初の数回は竹串や焼き色をしっかり確認しながら、適切な時間を見極めることが大切です。

目安としては、表面がこんがりきつね色になり、竹串を刺しても生地がついてこない状態が合格ラインです。さらに、焼き上がり直前に生地のふくらみが頂点に達し、その後少し落ち着くタイミングがベストです。この変化をオーブンの窓越しに観察しておくと、自分のオーブンとレシピの相性を把握しやすくなります。

13cmと17cmで異なるポイント

多くのレシピは17cm型を基準に作られていますが、13cmにそのままスケールダウンすると失敗しやすくなります。その理由の一つが、型の直径が変わると、表面積と高さのバランスが変わる点です。13cmは生地の厚みがやや高くなりやすく、同じ温度では火の通り方が変わります。
また、卵1個あたりの粉量や油分量の比率を17cmから単純比例すると、メレンゲの力が強くなりすぎたり、逆に油が多くて腰が弱くなったりすることがあります。13cmでは卵2個前後が扱いやすい単位であり、その中で粉、砂糖、油、液体(牛乳や水)のバランスを組み立てていくのが安定の近道です。

イメージとしては、17cmのレシピを約0.6倍にしてから、粉や水分を微調整する形になります。焼き時間も17cmの30〜35分前後から、5分ほど短くするのが一般的なスタートラインです。ただし、オーブンの火力や型の素材(アルミかテフロンかなど)によっても変わるため、ここで紹介する目安をたたき台にして、自分の環境に合わせたベストポイントを探っていくことが大切です。

オーブンの種類による違いと考え方

同じレシピでも、オーブンの種類によって焼き上がりは大きく変わります。電気オーブンは設定温度より庫内温度がやや低くなりがちで、余熱時間も長く必要です。そのため、表示温度通りの170度・25〜30分から試し、焼き色が薄い・膨らみが弱い場合は10度上げるなどの調整を行うと良いでしょう。
一方、ガスオーブンは立ち上がりが速く、火力も強めの傾向があるため、同じ170度表示でも実際には高めに焼けやすくなります。この場合は160度前後から始め、焼き色や生地の膨らみを見ながら、焼き時間や温度を調整していきます。コンベクション機能があるオーブンは熱風で早く焼けるため、温度を10度ほど下げるか、焼き時間を数分短くする判断が必要です。

最初の数回は、焼成中になるべくオーブンの扉を開けず、窓越しに観察します。中盤で大きく割れて急激に色づくようなら温度が高すぎるサイン、逆にほとんど膨らまず色も薄いままなら温度不足の可能性が高いです。こうした変化を記録しておくと、次回以降の調整がしやすくなります。

13cmシフォンケーキの基本レシピと材料バランス

焼き時間と同じくらい重要なのが、材料の配合バランスです。シフォンケーキは、卵の力(特にメレンゲ)と、少量の薄力粉、油分、水分の組み合わせで立ち上がる繊細なお菓子です。配合のわずかな違いが、仕上がりの高さやきめ、しっとり感に大きく影響します。
ここでは、家庭用オーブンで再現しやすい標準的な13cmシフォンのレシピ例と、材料同士のバランスの考え方を解説します。応用しやすいよう、卵のグラムや粉との比率も併せて説明しますので、別のフレーバーにアレンジするときにも役立ちます。

紹介するレシピは、ふわふわ感としっとり感のバランスを重視した配合です。甘さや油分を少し上下させることで、軽めからコクのあるタイプまで調整できますので、ご自身や家族の好みに合わせて微調整してみてください。

標準的な13cmシフォンケーキの配合例

一例として、プレーン13cmシフォンの基本配合は次のようになります。

  • 卵 Mサイズ 2個(全卵約100〜110g)
  • 砂糖 45〜50g(卵黄側15〜20g、卵白側30g前後)
  • 薄力粉 40g前後
  • 植物油 20g前後
  • 水または牛乳 30〜35g
  • バニラオイルやエッセンス 適量

卵黄生地側の砂糖はコクと保湿の役割、卵白側の砂糖はメレンゲの安定性に関わります。甘さ控えめにしたい場合も、卵白に加える砂糖はあまり減らしすぎない方が、安定したふくらみを得られます。

この配合はあくまでベースとなるものですが、粉40gに対して液体(油+水)が50〜55g程度になるようにすると、ふんわりしつつもしっとり感のある仕上がりになりやすいです。油の種類はクセの少ない太白ごま油やサラダ油が扱いやすく、香りを重視するなら米油なども向いています。

卵・砂糖・粉・油・水分の黄金バランス

シフォンケーキ作りで重要なのは、各材料の量そのものよりも、全体のバランスです。目安として、13cmの場合は次のような比率が安定しやすいです。

卵(全量) 約100〜110g(M2個)
砂糖合計 卵量の約40〜50%
薄力粉 卵量の約35〜40%
油+水分 粉量の約130〜150%

この範囲を大きく外れると、膨らみ不足や焼き縮み、ベタつきなどの失敗につながりやすくなります。

特に油と水分のバランスは、ふんわり感としっとり感の両立に直結します。油を減らしすぎると軽くはなりますが、時間が経つとパサつきやすくなります。一方で、水分を増やしすぎると、焼きはじめはよく膨らんでも、冷ます段階で大きくしぼみやすくなります。レシピをアレンジする際は、一度に大きく変えず、5g程度ずつ調整するのが安全です。

ベーキングパウダーは必要か

本格的なシフォンケーキは、基本的にベーキングパウダーを使わなくても、しっかりとふくらませることが可能です。メレンゲの立て方と混ぜ方が適切であれば、化学的な膨張剤に頼らずとも十分に高さを出せます。ただし、初心者の方やメレンゲに不安がある場合、微量(1〜2g)だけ加えることで、膨らみの保険として働いてくれます。
ベーキングパウダーを入れすぎると、独特の香りやざらついた食感が出たり、焼きムラが悪目立ちしたりすることがあります。そのため、入れる場合でもごく少量にとどめるのがおすすめです。特に卵白をしっかり泡立て、しっかりと焼き切ることができれば、ベーキングパウダーに頼らずとも十分な仕上がりになります。

自分の作りたいシフォンの方向性によっても判断が変わります。軽さを何より優先するならベーキングパウダーなしでメレンゲを極める方向、多少の安定感を優先するなら少量を上手に取り入れる方向、というイメージで選ぶと良いでしょう。

ふわふわに焼き上げるための焼き時間と温度調整のコツ

同じレシピでも、焼き時間と温度の選び方によって、シフォンケーキの食感は大きく変わります。焼きが甘いと中心がベタつき、しぼみやすくなり、焼きすぎるとパサついて口どけが悪くなります。ふわふわでしっとりした状態に仕上げるには、オーブンのクセを理解しながら、時間と温度を柔軟に調整することが重要です。
ここでは、標準的な目安をベースに、焼きすぎや焼き不足を見極めるサイン、中段・下段などの段位置による違いを解説します。数回焼いてみて、これらのポイントと比較しながら調整していくことで、自分の環境に合った焼成パターンが固まっていきます。

また、焼き時間だけでなく、予熱の精度や型の素材、使用するオーブンモード(上下火、コンベクションなど)も仕上がりに影響します。そのため、単にレシピの数字をなぞるのではなく、実際の焼き上がりを見ながら柔軟に対応することが大切です。

170度・25〜30分を基準にする理由

13cmシフォンケーキで170度・25〜30分が基準とされるのは、多くの家庭用オーブンにおいて、生地の内部までしっかり火を通しながら、表面を焦がさずに焼き上げやすいバランスだからです。
170度前後という温度帯は、卵のたんぱく質が固まり、メレンゲの気泡構造が安定するのに適しています。温度が低すぎると、焼成途中の生地がだれて気泡が壊れやすくなり、膨らみが弱くなります。逆に高すぎると、表面だけ先に固まってしまい、内側との膨張バランスが崩れて大きな割れや焼き縮みの原因になります。

25〜30分という時間は、生地量やオーブンの立ち上がりを考慮した現実的な範囲です。25分で焼き色が薄く、中央が揺れるようであれば追加で3〜5分、30分を過ぎても色がかなり薄い場合は、次回から温度を10度上げて再調整します。このように、温度と時間を少しずつ動かしながら、ふくらみ具合と焼き色のバランスを探っていくのがポイントです。

焼きすぎ・焼き不足を見極めるチェックポイント

焼き上がりを判断する際には、見た目、触感、竹串チェックを総合的に確認します。

  • 表面が均一なきつね色〜やや濃いめの茶色になっているか
  • 中央が大きくへこまず、全体がふっくらと盛り上がっているか
  • 竹串を刺して、生の生地やどろっとしたかたまりがつかないか

焼き不足の場合、冷ましている間に中央から深くしぼみ、底面がベタっとした食感になります。逆に焼きすぎると側面や底の生地が硬くなり、指で押しても弾力が少なく、乾いた印象になります。

焼成途中で表面に大きなひび割れができるのは自然な現象ですが、真っ黒に焦げる、割れ目から煙が出るような場合は明らかに温度が高すぎます。理想は、ひび割れがあるものの過度に焦げず、竹串を刺したときにごく薄い焼き色のついたかすが付く程度です。この状態なら、オーブンから出して逆さまにしている間に、余熱でちょうど良く火が通ります。

焼成位置(段)の違いによる影響

オーブンの天板をどの段に入れるかも、シフォンケーキの焼き上がりに影響します。家庭用オーブンでは、中段またはやや下段で焼くのが一般的です。最上段に近い位置では上火が強く当たりすぎて、表面だけ早く色づいてしまい、中まで火が通る前に焦げやすくなります。
逆に下段すぎると、底面の焼き色が強くなりすぎたり、上面の膨らみが抑えられたりする場合があります。13cmシフォンのような背の高いケーキでは、庫内の中央付近に生地の中心が来るように位置取りをするのが理想です。

オーブンによっては、上下火のバランスにクセがあるため、中段でどうしても上火が強い場合は、160度〜165度に下げて少し長めに焼く、あるいは途中からアルミホイルを軽くかぶせるといった対処も有効です。ただし、アルミホイルをかぶせる際は、オーブンの扉を頻繁に開け閉めしないように注意し、一度で素早く作業を終えることが大切です。

初心者が失敗しやすいポイントとその対策

シフォンケーキ作りは難しいイメージがありますが、失敗する原因はある程度パターンが決まっています。特に13cmのような小さめサイズは生地量が少ないため、メレンゲの状態や混ぜ方、焼き時間の誤差が仕上がりにダイレクトに影響しやすいです。
ここでは、初心者の方がつまずきやすい代表的な失敗例と、その対策を整理します。どのような状態が失敗につながるのかをあらかじめ知っておくことで、作業中に違和感に気づきやすくなり、リカバリーもしやすくなります。

失敗を恐れるよりも、原因を一つずつつぶしていく姿勢が上達の近道です。よくある現象を整理し、自分の焼き上がりと照らし合わせながら、次の改善につなげていきましょう。

しぼむ・へこむ原因と対処法

焼き上がりは高く膨らんでいても、冷ましている間に大きくしぼんでしまうのは、多くの方が経験する悩みです。主な原因は次のようなものです。

  • 焼き時間不足による中心部の生焼け
  • メレンゲの泡立て不足または泡立てすぎ
  • 混ぜすぎによる気泡のつぶれ
  • 油分や水分が多すぎる配合

特に13cmでは焼き時間を短くしがちで、中心部の水分が抜けきらないままオーブンから出してしまいがちです。この状態で逆さまにすると、まだ柔らかい中央部分が自重に耐えられず、沈み込みやすくなります。

対策としては、竹串チェックを徹底し、必要なら2〜3分追加で焼く勇気を持つことです。また、メレンゲはツヤがあり、持ち上げると角がお辞儀する程度の「やわらかいけどしっかりした状態」を目指し、卵黄生地との混ぜ合わせでは、底からすくい上げるように大きく混ぜて、必要以上にぐるぐる混ぜないことが大切です。

穴が大きい・きめが粗い原因

焼き上がったシフォンを切ったときに、ところどころ大きな穴が空いていたり、きめが粗くスカスカした食感になる場合もあります。これは、メレンゲと卵黄生地の一体化が不十分で、大きな気泡が残ったまま焼成されてしまうのが主な原因です。
メレンゲを加える際、最初の1/3はしっかりと混ぜて生地を軽くし、残り2/3はゴムベラで底から大きく返すように混ぜます。このとき、メレンゲの塊が見えなくなるまで、しかし混ぜすぎない程度にバランスを取ることが重要です。

さらに、生地を型に流し入れたあと、竹串や細いスパチュラで型の中を数回ぐるっと回し、大きな気泡をつぶす作業も効果的です。最後に型を軽く数回トントンと落として空気を抜く方法もありますが、過度に叩きつけると気泡がつぶれすぎてしまうため、やりすぎには注意しましょう。

底上げ・焼き縮みのメカニズム

底上げとは、焼き上がり後に型から外してみると、底面が大きく空洞になっている現象です。これは、上面と下面の焼き上がりのタイミングがずれてしまい、生地内部に空洞ができることで起こります。主な要因は、温度が高すぎて表面だけ急激に固まることや、生地量と型のサイズのバランスが合っていないことが挙げられます。
焼き縮みは、焼き上がり直後から次第に生地の高さが下がっていく現象で、しぼみと似ていますが、主に焼き不足や水分過多、または冷ます過程での扱いが関係します。

対策としては、適切な温度設定に加え、生地を入れすぎないこと(型の8分目程度までにとどめる)、焼き上がり後に素早く逆さまにして完全に冷ますことが基本です。13cmの場合、とくに型の素材が厚いアルミか薄いタイプかによって火の通り方が変わるため、自分の型での焼き上がりを何度か確認し、必要なら温度を10度下げるなどの修正を加えていきます。

メレンゲ作りと混ぜ方のポイント

シフォンケーキの成否を左右する最重要工程がメレンゲ作りです。どれだけレシピ通りに計量しても、メレンゲの状態が不安定だと安定したふくらみを得ることはできません。特に13cmのように卵2個前後の少量で作る場合、メレンゲの状態変化が速く、わずかな泡立てすぎや混ぜ不足が仕上がりに直結します。
ここでは、卵白の準備、砂糖を加えるタイミング、理想的な泡立て具合、卵黄生地との混ぜ合わせ方まで、失敗しにくい手順を詳しく解説します。

ポイントを押さえてしまえば、メレンゲは決して怖い存在ではありません。むしろ、毎回の状態を観察することで、自分の感覚が育ち、どんなレシピにも応用できる基礎力になります。

安定したメレンゲを作るコツ

まず、卵白は冷えた状態から泡立てる方が、きめ細かい泡が立ちやすいです。ボウルは水分や油分がついていない、清潔で乾いたものを使用します。
砂糖は3回程度に分けて加えるのがポイントです。最初は卵白が軽く泡立って大きな泡が立ってきたタイミングで1/3を加え、さらに泡立ててきめ細かくなってきたら残りを2回に分けて加えます。このとき、砂糖が一気に入ると卵白が締まりすぎてしまうため、段階的に加えることで、ツヤのある弾力のある泡に仕上がります。

理想的な状態は、ツノを持ち上げると先端がややお辞儀する「しなやかなツノ」です。角が全く立たないのは泡立て不足、逆に角が鋭く立ち、ボソボソとした質感になっているのは泡立てすぎのサインです。ハンドミキサーからゴムベラに持ち替えた時に、メレンゲが滑らかに流れ落ちるかどうかもチェックポイントになります。

卵黄生地との合わせ方と混ぜすぎ・混ぜ不足

メレンゲができたら、次は卵黄生地との合わせ方が重要です。ここでの混ぜ方次第で、きめの細かさや高さが大きく変わります。
まず、メレンゲの1/3量を卵黄生地に加え、泡をつぶすことを恐れずにしっかりと混ぜて、卵黄生地の粘度を軽くします。これにより、残りのメレンゲがなじみやすくなります。次に、残りのメレンゲを2回に分けて加え、ゴムベラでボウルの底からすくい上げるように、大きく返す動きを繰り返します。

混ぜ不足のままだと、白いメレンゲの筋が残り、大きな穴あきや焼きムラの原因になります。一方で、ぐるぐると力強くかき回しすぎると、せっかくの気泡が壊れてしまい、膨らみ不足になってしまいます。目安としては、メレンゲの白い筋が見えなくなり、生地全体の色と質感が均一になったところで止めることです。

少量生地(13cm)ならではの注意点

13cmシフォンは卵2個前後の少量生地のため、メレンゲや生地の状態変化が非常に速いのが特徴です。そのため、作業スピードと段取りが重要になります。卵黄生地の準備を完全に済ませてから卵白の泡立てに入る、使う道具や型は先にすべて準備しておく、といった基本的な段取りが、仕上がりの安定につながります。
また、少量のメレンゲは大きなボウルだと広がってしまい、泡立て具合が掴みにくくなります。やや小さめのボウルを使う、ハンドミキサーの速度を中速〜高速から始めて、仕上げは低速でキメを整えるなど、細かな工夫も有効です。

生地を型に流し込む際も、時間をかけすぎるとメレンゲの泡がどんどん減ってしまいます。生地ができたら躊躇せず型に流し入れ、表面を整えてすぐにオーブンへ入れる。この一連の流れをスムーズに行えるように、手順を頭の中でイメージしてから作業に入ると安心です。

型選び・型の準備と冷まし方のポイント

シフォンケーキは、型選びと下準備、焼き上がり後の冷まし方も非常に重要です。特に13cmの小型シフォンは、型の素材や厚み、加工の有無によって焼き上がりや抜きやすさが大きく変わります。
ここでは、アルミ型とテフロン型の違い、型に油を塗らない理由、焼き上がり後の逆さまにして冷ます工程の意味を解説します。これらを正しく理解することで、腰高で美しいシフォンを安定して焼けるようになります。

型は一度購入すれば長く使える道具ですので、自分のオーブンや作りたいシフォンのタイプに合わせて、適切なものを選び、大切に使っていきましょう。

13cm型の種類と選び方

シフォン型には主に、アルミ製とフッ素(テフロン)加工製があります。アルミ製は熱伝導が良く、均一に火が通りやすいため、ふくらみや焼き色のバランスが取りやすいです。一方、フッ素加工の型は生地離れが良く、型外しがしやすい反面、生地が型にしっかり張り付かないため、膨らみが弱くなりやすい傾向があります。
13cmサイズは生地量が少ない分、熱の回り方や生地の張り付きが仕上がりを左右しやすいため、どちらかと言えばアルミ製のシフォン専用型が扱いやすいです。底が取れるタイプは洗浄しやすく、型外しもしやすいのでおすすめです。

また、筒部分の高さが十分にあるかどうかも確認しておきましょう。焼き上がりの高さに余裕がある型を選ぶことで、生地が型からあふれるリスクを減らしつつ、きれいな腰高シフォンに仕上げることができます。

型に油を塗らない理由と準備の仕方

シフォンケーキのレシピで「型には絶対に油を塗らない」と書かれているのをよく見かけます。これは、生地が型にしっかり張り付くことで、焼成中に生地が壁をよじ登るように膨らむためです。もし型に油を塗ってしまうと、膨らみ途中の生地が滑ってしまい、高さが出にくくなります。
型の準備としては、きれいに洗って完全に乾かし、油分や水分が残っていない状態にしておくことが第一です。新品のアルミ型は、最初に一度空焼きして表面の保護膜を飛ばしておくと、生地の張り付きが安定しやすくなります。

型の内側に粉をふるったり紙を敷いたりする必要もありません。むしろそれらが生地の張り付きの邪魔になり、ふくらみ不足を招く可能性があります。もし型外しがどうしても難しい場合は、後述するナイフの使い方を丁寧にすることで対応しましょう。

逆さまにして冷ます理由と時間の目安

焼き上がったシフォンケーキをオーブンから取り出したら、すぐに瓶やカップなどにさかさまに差し込んで、完全に冷めるまでそのまま冷まします。これは、まだ生地が柔らかい熱いうちに立てたまま置いてしまうと、自重で沈んで高さがなくなってしまうためです。
逆さまにすることで、生地が型としっかり密着したまま固定され、高さを保った状態で冷ますことができます。13cmサイズの場合、室温にもよりますが、1〜2時間程度はそのままにして、完全に冷めてから型を外すのが理想です。

冷ましが十分でないうちに型から外すと、生地がはがれる際にちぎれたり、側面がつぶれたりする原因になります。待ちきれない場合でも、型が手で触ってひんやり感じるまで、しっかりと時間をかけて冷ますことを意識しましょう。

アレンジと焼き時間の調整例

基本のプレーンシフォンに慣れてきたら、紅茶や抹茶、ココア、フルーツピューレなどを加えたアレンジにも挑戦したくなります。13cmサイズは少量で試せるため、新しいフレーバーを試すには最適です。ただし、粉や水分、糖分の種類が変わると、焼き時間や温度にも微妙な調整が必要になります。
ここでは、代表的なアレンジ例と、それぞれの焼き時間・温度調整の考え方を解説します。

アレンジしても基本は同じですが、生地の重さや水分量が変わることで火の通り方が変化します。プレーンの感覚をベースにしつつ、フレーバーごとの特徴を理解しておくと、失敗をぐっと減らせます。

フレーバー別の焼き時間の目安

プレーンと比べて、生地が重くなったり水分が増えたりするアレンジでは、焼き時間をやや長めに取ることが多くなります。

フレーバー 特徴 焼成の目安
プレーン 標準的な軽さ 170度 25〜30分
ココア やや重くなりやすい 170度 28〜32分
抹茶 粉の追加でやや重い 170度 27〜31分
紅茶(リキッド少量) ほぼプレーンに近い 170度 25〜30分
果汁・ピューレ入り 水分が増えがち 170度 30分前後+竹串チェック

あくまで目安ですが、生地が重く、水分が多いほど、同じ温度でも数分長く焼くイメージです。

アレンジ初回は、プレーンでベストだった時間より2〜3分長くタイマーをセットし、様子を見ながら竹串チェックを行うと安心です。焦げそうになった場合は、最後の数分だけ温度を10度下げるか、軽くアルミホイルをかぶせて調整します。

ココア・抹茶など粉を足すアレンジの注意点

ココアや抹茶パウダーなど、粉状の素材を加える場合は、「薄力粉の一部を置き換える」のが基本です。例えば、プレーンで薄力粉40gのレシピなら、ココア10g+薄力粉30gというイメージです。
これを粉を足す形(薄力粉40g+ココア10gの計50gなど)にしてしまうと、粉の比率が高くなりすぎて生地が重くなり、膨らみにくくなります。その結果、焼き時間を伸ばしても中まで火が通りにくく、しぼみやすさの原因になります。

また、ココアは油分を吸いやすく、生地が締まりやすい特徴があります。そのため、油分や水分を1〜2割程度増やしてバランスをとるレシピもありますが、13cmでは一度に大きく変えず、まずは基本の粉置き換えから試して、様子を見ながら微調整するのがおすすめです。

水分が多いアレンジ(ジュース・ピューレなど)の考え方

オレンジジュースやいちごピューレなど、液体やピューレを加えるアレンジはとても魅力的ですが、水分量のコントロールが難しくなります。基本的な考え方としては、水や牛乳の一部を果汁やピューレに置き換える形にし、総水分量が大きく増えないようにします。
例えば、水30gを使うレシピなら、そのうち15〜20gを果汁やピューレに置き換え、残りを水にするイメージです。最初から全量を果汁にすると、酸や糖の影響でたんぱく質の凝固やメレンゲの安定性に影響が出る場合もあります。

水分が多いと、焼き時間が長く必要になり、表面が先に色づきやすくなります。その場合は、170度よりやや低めの165度で、30分前後じっくり焼き、竹串チェックを慎重に行ってください。果汁やピューレ入りはやや上級者向けのアレンジですので、プレーンで焼き時間とオーブンのクセをつかんでから挑戦すると、成功率が高くなります。

まとめ

13cmシフォンケーキは、少人数でも楽しめる手軽なサイズでありながら、シフォン作りの基本がしっかり詰まった奥の深いお菓子です。170度で25〜30分前後という標準的な焼き時間と温度をベースに、自分のオーブンや型の特徴に合わせて微調整していくことが、安定した成功への近道です。
記事内で紹介したように、メレンゲの状態、材料のバランス、型の扱い、焼き上がりのチェックポイントなど、一つ一つの要素は決して難しくありません。むしろ、それらを丁寧に積み重ねることで、家庭でも専門店のようなふわふわのシフォンケーキに近づくことができます。

最初はうまくいかないことがあっても、一度の結果だけであきらめず、どこが原因だったかをこの記事の各項目と照らし合わせながら振り返ってみてください。焼き時間を数分変える、メレンゲの泡立て具合を少し調整する、といった小さな工夫の積み重ねが、確実な上達につながります。ぜひ、13cmシフォンケーキを気軽な練習台にしながら、自分だけのベストレシピと焼成条件を見つけていってください。

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